product いなばの特産品

きぬむすめ
星空舞

rice

きぬむすめ

 JA鳥取いなば管内は、管内全域に水田地帯が広がり、その栽培面積は約4,900haにものぼります。
 水稲にはさまざまな品種がありますが、令和元年産では最も多く栽培されているのが「コシヒカリ」で全体の約34%にのぼります。続いて、「ひとめぼれ」「きぬむすめ」と続いており、この3品種で実に全体の約88%を占めています。

「きぬむすめ」

 きぬむすめは九州農業試験場(現:九州沖縄農業研究センター、福岡県筑後市)において育成され、2008年に鳥取県の奨励品種として採用された品種です。草丈が短く良食味の早生品種「キヌヒカリ」を母、耐倒伏性が強く、多収性の中生品種の「日本晴」を父に持ち、高温化でも品質低下が少ないことから、島根県、岡山県等近県でも評価が高く面積が拡大しています。また、日本穀物検定協会が実施している米の食味ランキングにおいて、平成23~26年に本県産「特A」評価を取得する等注目が集まっています。

導入の経過

 鳥取県の米事情として平成21年に早生品種であるコシヒカリとひとめぼれへ集中したため作業の集中による刈り遅れが問題視されました。翌年の平成22年以降、夏場の高温が常態化し、また1等米比率が低迷したことで鳥取県はきぬむすめを導入しました。理由としては、きぬむすめは10月に収穫期を迎える中生品種のため早生品種と作業分散できるためです。また「きぬむすめ」は作りやすくすぐれた栽培適正を持っているため高品質米(1等米)の生産が見込まれるためです。その後きぬむすめは1等米比率が80%に達し面積も3,600haで鳥取県の品種構成で30%まで増加はしましたが依然、早生品種が70%を占め刈り遅れが課題となっています。

命名の由来

 きぬむすめの名は、強稈・良食味で優れた品種であるキヌヒカリの後代優良品種となることを願って「キヌヒカリの娘」という意味で命名されました。

きぬむすめの系譜図

「きぬむすめ」の系譜図
特徴
1. おいしい

 きぬむすめは、かみしめると優しく甘みがあります。白さとツヤがあり、またやや柔らかめに炊き上がりますので、ふっくらともちもちとした食感を感じられます。きぬむすめの成分はタンパク質もアミロースもコシヒカリと同等の数値を示しており、コシヒカリに負けない食味評価を受けています。粘り強いコシと優しい甘さのお米で炊きたても大変おいしいのですが、冷めてもうまみや香り、食感が損ないません。またごはんが冷めると甘みも増すため、お弁当のご飯や、おにぎりとしていただくのもおすすめです。

2.暑さに強い

 きぬむすめは猛暑の年にも品質が安定しています。きぬむすめはコシヒカリなどが終わってから収穫できるので、生産者の方が作業を分散することができ、栽培規模を拡大でき適期作業を行うことができます。

星空舞

1.星空舞の歴史

 「星空舞」は、鳥取県オリジナルの水稲新品種です。
 開発担当者は、農家に産まれ、家族が天候に左右され苦労している様子を見ながら育ちました。その中で、「天候に左右されない年でも、倒伏や病気に強くおいしさを損なわない、生産者や消費者に喜ばれる品種を作りたい」という思いが誕生につながりました。
 農業試験場では、1986年から「コシヒカリ」の弱点克服に着手し、倒伏しにくく、いもち病に強い性質を付与する目的で育種を続け、着手から30年後の2018年に「星空舞」が誕生しました。

来歴

 通常の品種育成は、両親を選んで1回だけ交配する方法が主流です。しかし、「倒伏や病気に強く味の良い品種」はなかなか生まれないという課題がありました。そこで、病気に強い遺伝子を持つ「ササニシキBL1号」を母親、「コシヒカリ」の系譜である良食味の「ゆめそらら」を父親として交配しました。その子供に「ゆめそらら」を、さらにその子供に「ゆめそらら」をと5年かけて同じ父親を交配する“戻し交配育種”という方法で品種改良を行い、障害に強く味の良い品種が生まれました。

星空舞来歴
命名の由来

 そうして誕生したお米「鳥系93号」は、見た目が透き通っており星取県から生まれた「星のように輝くお米」であることから、星空舞と命名されました。

2.生産振興について ~星空舞導入までの経緯~

 鳥取県の米生産の現状と課題として、早生品種(コシヒカリ・ひとめぼれ)に集中していることがあげられます。田植えから刈取までの各作業日程が集中し刈遅れや品質の低下が見受けられるようになりました。また、H22以降、夏場の高温が常態化したことにより1等米比率が低迷しました。(コシヒカリ:H21 85% → H30 41% ひとめぼれ:H21 88%→H30 32%)
 その課題に対する対応として、H20に“きぬむすめ”が導入されました。きぬむすめは、10月に収穫期を迎える中生品種で作業分散が図れ高品質(1等米)の生産が見込めるというメリットがあります。導入後は、1等米比率80%と高く推移し、食味でも良食味の「特A」の評価を受けました。H30までで作付け面積が3600haまで増加しましたが、依然早生品種が70%を占め刈遅れが課題となっています。そこでさらなる1等米比率の向上のために、中生品種である“星空舞”が導入されました。令和元年5月24日には、「星空舞ブランド化推進協議会」※が設立され本格的な栽培が始まりました。

生産拡大計画
  • 平成31年度 5.1ha(約20t)
  • 令和元年度 360ha(1800t)
  • 令和2年度 1000ha(5000t)

     ↓
5年後の目標
 生産面積 3000ha
 本県主食用米の25%

 令和元年度は、生産面積が366haで1等米比率は78.1%でしたが、令和2年度は1000haへの大幅な作付け計画拡大に伴い、生産者の増加も見込まれています。また、将来的には全県の約1/4とする目標があり、星空舞振興において今年度は非常に大切な年と言えます。

3.栽培上の特性
  1. 成熟期がコシヒカリより5日程遅い。中間熟期は、9月中旬~下旬
  2. 稈長がコシヒカリより10~15cm短く、倒伏しにくい。
  3. 高温登熟性は、コシヒカリよりも「やや強」で高い1等米比率が期待されている。
  4. いもち病にかかりにくい抵抗性遺伝子を持つ。
  5. 収穫期は「コシヒカリ」と「きぬむすめ」の中間である為、農作業の分散ができるといったメリットがある。

「星空舞」ブランド化推進協議会とは・・・・オール鳥取による本県産米のブランド化を進めるため、設立した組織。JA、JA鳥取県中央会、全農とっとり、鳥取県産米改良協会、鳥取県他で構成されている。生産及び販売の推進に一丸となって取り組むことが目的。

4.特徴
  1. ご飯のツヤが際立つ美しい炊き上がり
    炊いた時のご飯のツヤや光沢が特に優れ、美味しさの指標である「味度値」が非常に高い。
  2. 粒感があり、はね返る食感
  3. 冷めても食感が変わらずおいしい
    ご飯が水を炊き込む量が多いため、冷めた後も瑞々しさが続き、食感が変わらない。

●「コシヒカリ」「きぬむすめ」に対し、まろやかさがあり濃厚などっしりとした味わいで、硬さ・粘りのしっかりある、粒の立ったモチモチとした食感が特徴。

5.販売先(令和元年度)

 令和元年度に収穫された星空舞は、下記の店舗で購入できます。

鳥取県内

 JA直売所

  • 愛菜館(鳥取市安長)
  • 地場産プラザわったいな(鳥取市賀露町)
  • 旬鮮プラザ満菜館(倉吉市西倉吉町)
  • JAグリーンせいぶ ふれあい村あすぱる(日吉津村日吉津)
県内小売店

 イオン、マルイ、東宝あじそう、丸合、ホック、サンマート、マルク

関西

 阪急オアシス、キッチン&マーケット(ルクア大阪)等

関東

 鳥取県アンテナショップ「とっとりおかやま新橋館」等