「地理的表示保護制度」とは

地域で育まれた伝統と特性を有する農林水産物・食品のうち、品質等の特性が産地と結び付いており、その結び付きを特定できるような名称(地理的表示)が付されているものについて、その地理的表示を知的財産として国に登録することができる制度です。

こおげ花御所柿 農林水産大臣登録第72号

GIマークは、登録された産品の地理的表示と併せて付すものであり、産品の確立した特性と地域との結び付きが見られる真正な地理的表示産品であることを証するものです。

「こおげ花御所柿」の特徴

こおげ花御所柿と選果の風景

「こおげ花御所柿」は、鳥取県八頭郡八頭町(旧郡家(こおげ)町)の在来品種で200年以上前から生産されている花御所柿です。

果実の形状は、丸みを帯びた四角形で縦に切ると丸みのあるハート形、外観はオレンジ色で、美しいと評判です。果肉の繊維がきめ細やかで柔らかくまろやかな食感で、果汁が多いことも特徴です。平均糖度は17度以上あり、高糖度の果実では20度を超えるものもあります。

こおげ花御所柿は、JA鳥取いなば郡家柿選果場で選果・出荷されます。

郡家柿選果場

「こおげ花御所柿」の歴史

「花御所柿」は、生産地である八頭町(旧郡家(こおげ)町)の在来品種であり、200年以上前から栽培されてきました。八頭町には「花(はな)」と呼ばれる地域があり、天明年間(1781~1788年)に花の住人であった野田五郎助が大和国(やまとのくに)の御所柿を一枝持ち帰り、渋柿に接木したことが発祥です。

明治42年に、農林省園芸試験場の恩田鉄弥博士が地名に因んで「花御所柿」と命名しました。

明治45年(1912年)に全国「柿品種に関する調査」が公表され、鳥取県八頭郡大御門村原産の花御所柿が品質最上位に位置づけられており、昭和22年(1947年)に行われた戦後初の全国果実展示品評会において、鳥取県産の花御所柿が柿の部の一等賞となるなど高い評価を得ています。

昭和44年(1969年)からは、花御所柿の中でも果色・熟度・生傷・ヘタスキ・果形・大きさといった基準を満たすものを「こおげ花御所柿」として規格化した結果、「こおげ花御所柿」は花御所柿の中でも品質が高く安定しているとされ、現在にいたるまで進物・贈答用として高い需要があります。

野田五郎助翁の碑

生産地の特性

花御所柿の木

花御所柿は、土層が深い畑地では樹勢が強く樹が高くなり、果実の収穫が難しくなります。しかし、花地域を含む旧大御門村を中心とする八東川筋の土壌は、下層が石礫で土層が浅く、柿の木が若木の時から収穫しやすい低く開いた樹姿に育てることが容易だったため、花御所柿の栽培が盛んでした。現在でも、花御所柿は、県東部の八頭町(旧郡家町)の丘陵地を中心に栽培されており、特に旧大御門村の一部の集落に集中しています。

収穫期の11月下旬から12月中旬は、葉が落葉して果実だけが枝に残り、産地一帯は花が咲いたような鮮やかなオレンジ色に染まるのも特徴です。国道29号線沿いに広がる柿畑の風景は、平成12年に県が選定した「伝えたいふるさと鳥取の景観100選」に選ばれるほどの絶景で、大勢の観光客や地元住民の目を楽しませています。

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